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2015年上半期に観た映画まとめ

普段はそれほど映画観る人ではないんですが、2014年に観たのが「たまこラブストーリー」とか「アナと雪の女王」とか「アイカツ」とかで、振り返ってみて我ながらちょっと酷いなと思ったので、今年は毎月1本アニメ以外の映画を観ることを抱負として掲げることにしました。
というわけで、今年前半で6本のアニメじゃない映画を観たわけですが、せっかくなので簡単な感想メモと共にまとめておきます。

※一部ネタバレも含みますので、ご注意ください。

1月『ゴーン・ガール


ニックとエイミーの結婚5年目の日、妻のエイミーが消えてしまう。警察による事件の捜査が始まるが、夫ニックに不審な点が見つかり、彼が容疑者として疑われることになる。ニックは自身の無実を訴えるが…。

個人的評価:★★★★★

2014年公開の映画ですが、1月に観たのはデヴィット・フィンチャー監督の『ゴーン・ガール』でした。
出来はひとことで言うと最高で、なんなら結婚するカップルと結婚した夫婦全員に見て欲しいくらいです。

「結婚生活のすれ違い」と言えば大したことない問題に聞こえますが、この映画が表現しているのは基本的にはそれで、結婚が持つ本質のひとつの側面を切り取ってサスペンスとして表現した作品だと思います。最後の方で、「お互いに主導権を奪い合って云々かんぬん」みたいな台詞の後に「That's marriage(それが結婚よ)」みたいな台詞があるんですが、個人的にはすごく納得したし共感しました。まぁ自分独身なんですけどね。
一部では「こんなに恐い女はいない」とか言われてますが、多少誇張されてるだけで割とこんなもんなんじゃないなかなぁと思いますし、夫側の情けなさや甲斐性のなさ、浮気してしまうダメさなど、ある意味リアリティあるなぁと思いました。
結婚には『アマガミ』みたいな光の面もあれば、この作品のような闇の面もあるのです。自分独身だから分かんないけど、たぶん。

2月『ANNIE』



個人的評価:★★

2月に観たのは『ANNIE』。世界的に有名なミュージカル作品なので、あらすじは不要かと思います。
正直2ヶ月目にしてあんまり観たいものがなくて、またじっくり探す時間もなかったのもあって、ひとまず教養として観た感じが強いです。
音楽は悪くない。歌はすげーうまい、特にアニー役の子はびっくりするほどうまい。元気も出る。ファンタジー
みんなが大体のストーリーは知っているので、ストーリーではなく歌と音楽で作品として成り立たせたのかな?って印象でした。

3月『イントゥ・ザ・ウッズ』


赤ずきん」「シンデレラ」「ラプンツェル」「ジャックと豆の木」といった世界的に有­名なおとぎ話の主人公たちのその後を描く、ディズニー製作のミュージカル。ブロードウ­ェイで上演され、トニー賞を受賞したミュージカルを基に、『シカゴ』『NINE』など­のロブ・マーシャルが映画化。

個人的評価:★

3月は『イントゥ・ザ・ウッズ』。これも正直観たいものを探す時間がなかった感が否めません。
だからもともと期待値は低くしてたつもりだったんですが、観た感想としてはそれを下回ってきました。
評価できる点は、「シンデレラで描いた幸福とは何なのか問題」や「ラプンツェルで描いた親から子への愛情とは何なのか問題」など、各物語ごとのごちゃごちゃした色んなテーマを混ぜ込んだまま、何とか公開できる作品として作り上げたことくらいでしょうか。

4月『エイプリルフールズ』



個人的評価:★★★

4月は邦画にして、『エイプリルフールズ』を観ました。
エイプリルフールに色んな人が嘘をつく話なんですが、せっかくなら最終的に全部の嘘がもっとちゃんと繋がると良かったのになと思います。単発だったり、繋がりが中途半端だったりして、やや作り込みの雑さを感じました。
ただ、良い嘘と悪い嘘、嘘も方便みたいな嘘や全く必要ない嘘など、色んな嘘がそれぞれ描かれてたと見れば別に良かったのかな。
いやまぁそれでもエンターテイメントとして作るんだから、やっぱり全部が繋がって「うおーそうなるのか!」みたいなのが欲しかったですね。あのラストだけだと正直足りない。
面白さとしては可もなく不可もなく、です。

5月『セッション』


名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。

個人的評価:★★★★★

5月は『セッション』。これまたひとことで言って最高の映画でした。
フレッチャー役のJ・K・シモンズもニーマン役もはまってて、最初から最後まで圧倒されっぱなしでした。すごすぎて。
え!? お前ここで車にひかれるの!? 交通事故の伏線ここで回収するの!?」みたいな。

天才を作り上げるには狂気じみた指導が必要で、「獅子は我が子を〜」じゃないけど、めちゃくちゃ厳しい状況や圧倒的な挫折を乗り越えないと、常識破りの天才っていうのはなかなか出てこない。現代の教育ではこういう超スパルタはむずかしい(潰れちゃった時に誰に責任がいくのか良くわからない。そして大抵は潰れる)ですが、音楽業界だけでなく、教育全般に対するひとつの警鐘なんじゃないかと思います。

もちろん音楽もすごくて、映画館の音響で聴くと聞き応え十分でした。あとで知ったんですが、アカデミー録音賞取ってるだけのことはある。
あと唐突にスタバで流れてるジャズのCDがディスられたの面白かったです。

ちなみに監督のデイミアン・チャゼルは28歳でこの作品を撮ったらしくて、この人がどんな才能の磨き方をしてきたのか、どんな指導を受けてきたのかは知りませんが、純粋にすげえなと思いました。

6月『マッドマックス 怒りのデス・ロード』



個人的評価:★★★★

で、6月が今話題の『マッドマックス』。
これはマッドマックスシリーズの一応4作目という位置づけですが、正直前作を観てる必要はないです。
世紀末感満載の世界で、銃と火炎放射器をぶっ放しながら2時間丸々カーチェイスするという映画なので。
しかも同じ道を行って戻ってくるからね。なんじゃそりゃ。

全体的に観るのに左脳を全く使わないのがすごく良かったです。「ヒャッハー!ガソリンだー!!」って感じ。
荒廃した世界に対して無駄に色んな時代背景をねじ込んできたりせず、ただただ純粋に「この世界は荒れ切っています」なので、こちらとしても「あぁそうなんだ。そりゃもう車走らせるしかないよな(意味不明)」みたいになります。
あとタイトルは「マッドマックス」ですが、狂ってるのはマックスだけじゃなくて、大体みんな狂ってます。
個人的にはトラックの前で火炎放射器搭載したツインギター弾いてるやつが最高にバカっぽくて最高でした。

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こいつ最高。

まぁでも見終わって思ってみると、「この世界は荒れ切っています。救いはありません」みたいな雰囲気出しといて、なんだかんだ希望の物語だったので、よくわかんないけどすごい映画だったのかもしれません。

番外編『ラブライブ!The School Idol Movie



個人的評価:★★★

劇場版ラブライブ!が非常に良かったので最後に番外編。
(評価が★3なのは、純粋に映画として見ると別に大したものではないからです)

初日に観に行ったんですが、観ながら「やっぱラブライブすげえな…」ってなりました。
個人的な感想として、アニメ「ラブライブ!」って作品は、基本的にはμ'sというアイドルグループを最も魅力的に見せるために作られた物語だと思っていて、あれを見る時、視聴者はμ'sと同じ空間にいるんじゃなくて、あくまでも画面を通してμ'sを見ている状態っていうのが徹底されてる。
ことりちゃんが左下から覗き込んだりほのかちゃんが走ってくるシーンでカメラがくるくる回転するのとかがまさにそれを表していて、その作りはもちろん映画でも継承されていました。
だからこそ凛ちゃんはいきなり歌いだすし、謎の女性シンガーも出てくるし、もっと言えばにこまきが百合百合する。
最後に劇場版で海外行くとかなると、何となく「けいおん!」とか思い出すけど、あれとは根本的に構造が違いますね。

日本帰ってきてから秋葉原で「スクールアイドルみんなのためのライブ」みたいなのもやるけど、あれもやっぱりμ'sのためのライブであるという感じが満載。徹頭徹尾、ラブライブはμ'sのための作品だと思います。


宣伝に“金も時間もかけた”映画『海街diary』が『ラブライブ!』に惨敗

あとは蛇足ですが、この前なんかニュースで「海街diaryラブライブに負けたの、映画界的に衝撃大きい」みたいなのを見たんですが、個人的には「そんなの当たり前じゃない?」と思います。『海街〜』は確かに色んな番組で宣伝もしてたし、カンヌとか出てて多少話題もあったでしょうが、その公開を心待ちにしてた人はほとんどいなかったと思うので、初速の爆発力が違うのは当然だと思います。
だいたい女優と宣伝で興行収入決まる時代じゃないと思うし、そんなことはとっくに痛感してると思ってたんですが・・・。

おわりに

というわけで2015年上半期に見た映画のまとめでした。
下半期は何か面白いのあるでしょうか?今のところだと、2015年個人的に最高の映画は『セッション』になりそうですが、それを超える映画に出会えると良いなぁ。

おわり。