「便乗値上げするな」という主張と「給料上げろ」という主張
消費税が8%になって早くも1ヶ月が経とうとしています。
なので今回は、増税について思ったことを、
月が変わる前にちょっと雑記にでも書いておこうかと思います。
※同様のことを書いている人は既にたくさんいらっしゃると思いますが、そこは目をつぶってください。
何を書くのか
消費増税を受けた世の中からの文句意見には、以下の2つのものが多かったと思います。
「消費税上がるんだから給料も上げてもらわないと生活水準下がるじゃねーか。給料上げろ」
「消費税は3%しか上がらないのに価格がそれ以上に上がるってなんだ?便乗値上げやめろ」
この2つの意見は単独ではそれなりにロジカルですが、
2つ合わせるとすごく矛盾してるなぁと思うので、それについてつらつらと書きます。
「税抜き価格は変わらないはず」というのはおかしい
まず便乗値上げについてですが、
便乗値上げするな派の主張として、以下のようなものがあるかと思います。
「消費税が5%から8%に上がるだけなんだから、税込105円の商品が108円になるだけのはず。
それ以上に上がるのは便乗値上げだ!」
この主張の何がおかしいかというと、
105円の商品の原価も消費増税の影響を受けているということを考えてられていないという点です。
つまり、税抜100円の商品の原価が80円だとしたら、
その原価にも消費税はかかってくるわけで、そのコストが増えている分(80×0.03=2.4円)を価格に反映しないと、お店としてはやっていけない*1わけです。
よって、価格としては税抜102円、税込110円くらいになります。
という話をすると、今度は、
「いやいや。仕入にかかる消費税は後から返ってくるでしょ」
という話になります。
これはまぁ実際そうなのです*2が、
じゃあ商品の原価って仕入だけですか?っていうと、そんなことはない。
人件費だって原価に含まれています。
例えばさっきの原価80円のうち、40円分が人件費だとします。
当然ですが、従業員も自分が提供している商品以外については消費者なので、
「消費税が上がったら給料を上げてもらわないと困る」人たちです。
よって、経営者としてはその給料を上げたいと考えます。
すると、結局生産コストが増えるので、その分は価格に反映しなくてはいけません。
よって、結局税抜101円、税込109円くらいにはなります。
矛盾
以上のことから、
「従業員の給料を上げようとすると、値段が上がるのは自然なこと」
ということが分かります。
従って、もしあなたが自分の給料を上げろと要求するなら、
それはあなたが提供している商品の値段を上げろと言っているようなものです。
それにも関わらず、同時に「便乗値上げやめろ」と言ってるとしたら、それは、
「自分は消費増税で困ってるから値段上げるけど、お前らは上げるな。
そしたらお前らは増税した分生活水準下がるけど、我慢しろ」
と言ってるようなものです。
実際のところとして、上2つの主張を両方同時に唱えている人がどのくらいいるのかは知りません。
が、もし両方唱えている人がいるとしたら、
その人たちは自分のことしか考えていない、すごく自分勝手な人だなぁと思います。
もし「増税した分給料あげろ」と主張をするなら、他のお店の値段が上がるのを認めましょう。
もし「便乗値上げするな」と主張をするなら、自分の給料が上がらないことを認めましょう。
それが私からの、唯一の願いです。
終わり。