16bit!

エンジニアじゃなくなっちゃった人が何かを書くブログ

その「いいね」は何が「いい」のか

facebookのことではありませんのであしからず。



「こんなのどうですか?」⇒「いいねー」

先日、ふとした時に思ったことなのですが、
自分が何かを提案して、相手がそれを承諾したからといって、
それで今後の方向性が決まったとするのは危険だよなー
という話です。

例えば、パソコンモニタを売るAさんと、それを買うBさんがいるとして、

Aさん「この商品は画面の明るさを自由に変えられますよー」
Bさん「それはいいですねー」

というやり取りがあった場合、
Aさんの中には、「それによってこんなメリット(目が疲れない)がありますよー」があるんですが、
それは説明していない。
一方、Bさんの中にも、「こんなメリット(撮った写真を色んな明るさで確認できる)があるなー」があるんですが、
こちらもこれを説明していない。

つまり、AさんもBさんも、自分が「何故それをいいと思っているのか」を説明していないんです。

これは、このまま普通に商品を買って、
Bさんが「いいね」と思ったメリットをしっかり享受できれば問題ないのですが、
もし勘違いがあって、Bさんが思っていたメリットを享受できない場合は問題です。*1
Bさんはせっかくモニターを買ったのに、写真を色んな明るさで確認することができません。

特にオーダーメードの場合とか

上の例では会話の時点で既に商品がありますが、
例えばオーダーメードの商品だったりすると、より大変です。

Aさん「オーダーメードで貴方にぴったりの椅子を作りませんか?」
Bさん「よしきた」

ここではAさんは「色や形を自由に決められること」がメリットだと思っているのに、
Bさんは「材質を選べること」がメリットだと思っているとします。
そして、注文された後で事故により同じ材料が調達できなくなったとします。

Aさんは色や形がメリットだと思っているので、「別の木材で代替しよう」と考えるかもしれません。
しかしそれではBさんの欲求はまったく満たされず、
納品後に「返品じゃー!」となります。誰も幸せにならない。

どうすればいいのか

要するに、自分が「いいね」と思った理由をちゃんと説明すればいいんです。

Aさん「この商品はこんなことができますよー。それによってこんなメリットがありますよー
Bさん「そのメリットはどうでもいいけど、商品はいいね。なぜならこんなメリットがあるから

これでAさんはBさんに要らないものを買わせなくて済むし、もしかしたら、
「事故で材料が調達できなくなってしまいました。でも別の色でよければ調達できます」
という提案もできる。


結局、自分が何かを提案して、それを相手が「いいね」と言ってくれたからといって、
それを鵜呑みにしてはいけないということですね。

自分が「いいね」を言う側の時は必ず「何故いいのか」を伝えることとして、
もし自分が言われる側で、かつ相手が「いいね」の理由を伝えてくれなかったとしたら、

Aさん「こんなのどうですかー?」
Bさん「いいねー」
Aさん「何がいいんですか?(詰」

くらいの姿勢で、きちんと「いいね」の理由を聞いておく必要があるかも。


終わり。

*1:画面の明るさ調整が割りと煩雑な作業だったりするケース。 Aさんは画面の明るさなんてそうそう頻繁に変えるものではないと思っているが、 Bさんはコロコロ変えられると思っている、等