16bit!

エンジニアじゃなくなっちゃった人が何かを書くブログ

【読書感想文】How Google Works を読んだ その3

How Google Worksの読書メモその3です。

その1はこちら⇒【読書感想文】How Google Works を読んだ その1 - 16bit!

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)  ―私たちの働き方とマネジメント

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント

※引用と個人的な感想が混合しています。ご注意ください。

五年後の自分をイメージする

まず、現在ではなく五年後の自分に取って理想の仕事を考えてみよう。どこで、何をしていたいか。(中略)たとえばその仕事を転職サイトに載せるとしたら、どんな説明になるだろう。

僕が新卒で就職活動をした約5年前には、「死ぬまでに何をしたいか」をゴールとして決めたり、「10年後にどんな人間になっていたか」を考えて逆算したりしていましたが、実際に社会人になってみると、これはちょっと無駄に長過ぎる視点だったなぁと思います。
実際数年間で自分の理想とするゴールなんてころころ変わったし、内的要因だけじゃなくて外的要因もどんどん変わる。
そんな中で10年以上先のことを決め打ちするなんて無駄だし、むしろそれに引っ張られる方がリスクがある。
そういう意味でも5年後くらいのイメージというのはギリギリ見通せる長さとしてちょうど良いと思うので、常に5年後くらいのマイルストーンを意識しながら、都度都度方向修正するのが良いような気がします。

あと、自分の仕事内容をちゃんとシンプルに言語化することっていうのも、キャリアの上では結構大事なことだなと個人的には思います。
「どこで、何を、どのくらいやっていた」という説明で、他人に「自分に何ができるのか」をイメージしてもらうことが、市場価値を見いだしてもらうためには必要なんだろうなと。

データに基づいて決定する

事例の複数形はデータである。

さまざまな選択肢や見解について議論する会議では、まずデータを見るところから始める。他の人を説得するのに「私が思うに…」という言い方はしない。「ちょっとこれを見てください」と言うのだ。

誤解を恐れずに言えば、意思決定のための情報は多ければ多いほど良いはずです。
母数が大きくなればなるほど異常値がもたらず影響が小さくなり、正しい事実に近くなるので。

確かにこれまではあまりにも多くのデータはむしろ判断を遅くする原因でもありましたが、これは技術の発達によって解消されつつあるので、「全てのデータ」を分析して意思決定に利用することが現実に可能になってきました。
これはとてもありがたいことで、少数の事例(しかも属人的な)による判断だと、どうしても主観による意思決定になりがちで、その場合、どうしても組織内でヒエラルキーの高い人間の意見が重要視されることになるのを、事例をデータとして分析することで、主観やヒエラルキーの影響を抑えられるようになる。
その結果、例えばヒエラルキーの高い人物が持っていた事例が異常値であった場合などの誤った意思決定を防ぐことができます。

ドリー

そこで「ドリー」という名前のシステムが誕生した。

これは単純に面白い仕組みだとと思ったのでメモ。
Googleの社内で利用している経営陣への質問ツールで、誰でも匿名で質問をドリーに投稿でき、社員が良い質問か悪い質問かを投票し、毎週開催される全社向けのミーティングにて、投票で上位になった質問から経営陣は答えていく、というもの。
経営陣への意見や質問を吸い上げる仕組みは色々な会社で工夫されていると思いますが、投票によって質問が決まるというこの仕組みはなかなか良いなと思います。
目安箱を透明化したみたいなシステムですが、多くの質疑応答の時間が限られている多くの場合において、この仕組みは活用できるのではないかと。

イノベーションを起こすなら、競合がひしめく市場で

イノベーションにふさわしい環境とは、たいてい急速に拡大しており、たくさんの競合企業がひしめく市場だ。(中略)からっぽな市場にはたいていそれなりの理由がある。企業の成長を維持するだけの規模がないのだ。

起業する場合のある種の定石として、大企業が手を伸ばしていないニッチな市場を狙うというのがありますが、それとは反対の考え方。
確かに、パイが小さい割に市場の変化が速かったりして割に合わないため、大企業が手を出していないニッチな市場にスピーディに参入して、臨機応変にニーズの変化にも対応することで利益を上げることはできるが、これだとどうしても企業の成長はある一定のところで止まってしまう。
逆に大きな市場だと競合も多いが、技術的イノベーションによって他社との明確な競争優位を確率できれば得られるものも大きいし、企業もかなり大きなところまで成長できる。
「目を付ける速さ」で勝負するにはよくない市場ですが、前のパートで述べたみたいに、技術的アイデアに基づくイノベーションで勝負するなら、既存のパイが大きな市場ほどチャンスが大きいということになる。

また、ちょっと話は変わりますが、最近のWEBサービススマートフォンアプリとかを見ていても、「これはちょっと便利になるな」とは思うのですが、「これはものすごく便利だな!」というものはあんまり無いよなぁと感じています。
ニッチなところを狙っていたり、かゆいところに手が届いていたりはするのですが、やはりそれだけだと既存の競合を駆逐してしまえるようなインパクトは無くて、「ちょっと便利」ばっかりが起こっているのが個人的にはもにゃっとします。

イデア自然淘汰ダーウィンの進化論)

とても生き残れないほど多くの「アイデア」が生まれる。その結果、生存のための闘いが繰り返される、複雑で、ときには変化する状況においては、たとえわずかでも自己保存に適した変化を遂げた「アイデア」ほど生き残る可能性が高まり、自然選択される。

上記はダーウィンの『種の起源』の一説を、「アイデア自然淘汰」に書き換えたもので、「たくさん生まれたアイデアの内、環境に適した進化を遂げたものがイノベーションへと辿り着く」ということを表している。
イデアは生まれた時点ではちょっとした単発の改善でしかないので、それが進化していって大きなイノベーションにつながるという考え方は割としっくりきます。

つまりアイデアはなるべく多く、それこそ淘汰されること(=失敗すること)を前提として出てくる必要があり、そういう意味では全ての社員に、アイデアを発信し、他者を巻き込んでも良いだけの自由と権限、そして失敗を許される権利を与えることが必要になります。
さらに言えば、アイデアの優劣を決めるのは純粋な自然淘汰によってなされるべきで、誰のアイデアかといった政治的な要因に影響されてはいけない。
これらは全て企業文化によってもたらされるもので、したがってイノベーションというものは一朝一夕では成せないということになりますね。

//
その3はここまで。
長さとメモしたいことの数的にはあと1つで終わる予定です。
書き留めておきたいことがたくさんあって長くなっていますが、基本的には自分宛の読書メモが主目的なので、まぁいいかな。

いったんおわり。