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16bit!

エンジニアじゃなくなっちゃった人が何かを書くブログ

【読書感想文】How Google Works を読んだ その1

今年は小説もちゃんと読む年にしようということで、ここ最近はずっと友達に借りた戯言シリーズ*1を読んでいたんですが、
息抜きにビジネス書も読みたくなったのでタイトルだけみて買って読みました。

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)  ―私たちの働き方とマネジメント

How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント

「働き方の本かな?」と思って買ったけど、中身は割とマネジメント寄りの本でした。
が、Googleのエピソードとかもちょこちょこ載ってて、ニヤッとできるし面白かったです。

以下感想と読書メモ。
引用と要約と個人的な意見が混在しているのでご注意ください。

「計画なんて何のためにあるんだい?」

「担当チームが計画を前倒しで達成したなんて例を聞いたことがあるかい?」
「君の部下たちが、計画を超えるプロダクトを仕上げたことがあるかい?」
「じゃあ、計画なんて何のためにあるんだい?」

ジョナサン・ローゼンバーグ*2が入社間もない頃、綿密なプロダクト計画書を作成してラリー・ペイジに提出した際に言われたこと。
目的は計画通りに進めることではなく、優れたプロダクトを作ることなので、計画そのものが目的であってはならない。
ガチガチに管理しても計画当初に計画を作った人が考えたレベルのものしかできない。しかも期限ギリギリまでかかって。
計画を立てる人間が圧倒的に優れていて、未来に渡って全てを見通せるくらいの能力を持っているならメンバーを管理することに意味はあるが、凡人(Googleのプロダクトマネージャですらそうらしい)ならメンバーには自由と権限を与えた方がより良いものができる、とのこと。

また、「計画」という単語ではもう1つエピソードが。

「そうだな、計画ではリリースはあと数週間先ということになっているから、もう少しテストをして、完璧を期してはどうだろう」
「なるほど。でも計画以外に、いますぐリリースできない理由はあるの?」

計画通りであることは目的ではないよという話。

マーケティング < プロダクト

いまや企業の成功に最も重要な要素はプロダクトの優位性になった。

古い世界では持てる時間の30%を優れたプロダクトの開発に、70%をそれがどれほどすばらしいプロダクトか吹聴してまわるのに充てていた。それが新たな世界では逆転した。

いろんなところで言われていることですが、インターネットのおかげで消費者は多くの情報に簡単にアクセスできるようになり、またその発言力もあがったため、
大事なのはプロダクトがすばらしいものであることを宣伝することではなく、すばらしいものであると消費者自身に宣伝してもらうことになっていると思います。

奴隷労働なしで

インターネットの世紀は、未建設のピラミッドであふれている。さあ、とりかかろうじゃないか。
しかも今回は、奴隷労働なしで。

この「奴隷労働なしで」というフレーズがとても好きです。
本書とは全然関係ない話だけど、人間の代わりにコンピュータに働いてもらうのがITのひとつの可能性なわけで、さらに言えば、働く上で大事なことは、「自分よりも優秀な人間にいかに動いてもらうか」であるわけで、そういう意味では、優れた人工知能に働いてもらうのが理想なんだよなぁ、ということを、最近ちょっと考えたりしています。

戯言読み終わったら次に読みたい本。

企業理念・企業文化

(企業文化を)表現する文言を変えたら何が起こるか、想像してみることだ。
たとえば「敬意、誠実さ、コミュニケーション、卓越性」を「強欲、強欲、カネへの渇望、強欲」に変えたとしたら・・・

個人的には、企業理念って大事だなと思います。
何を一番大事にしているのか、どこを向いているのか。
具体的で、全ての従業員にちゃんと浸透していること。
グーグルの場合は「ユーザー」を一番大事にしていて、これを「広告主」に変えたら暴動が起こるだろうと本書には書かれていますが、ただの美辞麗句で、「理念は立派だけど、実際には全然そうなってないよねーw」と従業員が言っているようなら、そんな理念に意味はないなぁと。

独立採算にしない

組織を事業部、あるいはプロダクトライン別にすると、それぞれの事業部が自分のことだけを考えるようになり、情報や人の自由な流れが阻害される。

独立採算制は、各事業部の実績を測るのに都合が良さそうだが、人々の行動を歪めるという好ましくない副作用が生じるリスクがある。

グーグルが新事業を立ち上げる際、それがどのくらい利益を上げるかについてはとりあえず何も考えない、というのは有名な話ですが、
広告収入であげている利益を、利益が出るかどうかなんて考えてもいない新規事業に回せるのは、ひとえに独立採算にしていないからだよなぁと思います*3
ただこれは、お金を稼ぐことや報酬を上げることが重視されていない企業文化があって初めて実現できることだという気もするので、ある意味では潤沢な資金があることが前提になっている。
一方、世の中の困っている会社の多くはお金がないから困っているのであって、お金がない時の解決策として、「組織改編して独立採算をやめます!」というのは難しそう。

なお、独立採算制と多少関係のある話ですが、本書では、「マネージャは異動させるメンバーを選ぶ時、優秀な人間を残そうとし、凡庸なメンバーを放出しようとする」という話を上げ、それはそのチームにとっては好都合かもしれないが、会社全体から見ればマイナスだと書いている。
これも独立採算の弊害のひとつですね。



ひとまずここまで。
その1だけ書いてみた感じだと、ボリューム的にはたぶんその3くらいまでかかりそうです。

おわり。

*1:まぁラノベも小説ということで。

*2:ラリー・ペイジのアドバイザー

*3:日本で言えばDMMとかがこういうことやってるのかなと思っていたのですが、DMMは最初からビジネスとしての採算を考えて事業を立ち上げるので、「儲かるかわかんないけどこれ良さそうだからやってみよう」では無いそうです。